ryobook-豊かな人生のために

管理者のryoと申します。高校生で読書にハマり、多様なジャンルの本を乱読してきました。読書の面白さや好きな本を伝えたいので、当ブログを開設しました!読書だけではなく人生を好転させられるような情報も更新していきます。今後ともよろしくお願いします!!

森博嗣『小説家という職業』|小説家になりたかったら、本は読むな

 今回紹介する本は、小説家の森博嗣さんの『小説家という職業』だ。ジャンルはエッセイ。いかにビジネスとしての小説家が誕生したか、が語られている。私自身、小説家になりたいとは思ったことないが、友達に何人も夢見ている人がいる。本気で小説が好きな人は、ビジネスで小説を書くことに抵抗があり、本書の印象は良いものとは言えないと感じた。だが個人的には興味深い本だった。

本書について
著者:森博嗣
出版社:集英社新書


 私が感じたのは、「著者はプロだな」ということ。なぜなら、著者は本を売るためにデータの分析を怠らない。ネットの批評を全チェックしたりメール全てに目を通したり(今は量が多すぎてチェックしきれないらしい)とニーズの分析をしているそう。

僕は自著に対してデータを集計したことがある。すると、売れている本ほど、読者の採点が低くなる傾向があることに気づいた。理屈は簡単である。採点が低いからよく売れるのではなく、よく売れるほど、その作品に合わない人へも行き渡るから、低い評価を受ける結果になる。逆に、もの凄くマイナで部数の少ない本は、コアなファンだけが買うので評価が高い。(p138)

 著者はこう語った。この分析には我々も納得いくだろう。

 前述の通り、本ビジネスの話が書かれているわけだが、文章のテクニック(?)も最後に書かれている。

文章が上手くなるためには、とにかく文章を書くこと。そして、自分の書いた文章を何度も読み直してシェイプアップすることである。書いたすぐあとに直すのではなく、せめて1日、できれば数日置く。(p164)

 そうですね。としか言えないくらいの正論パンチ。自分も意識して文章を作り上げたいと思った。

 もう一つ面白い点がある。それは「著者は子供の頃から本をあまり読まない」と言っている割には、読んだ本について言及している箇所があるところ。しかも誰でも知っている名作ではなくて、マイナーな本なこと。そんな本にどうやってたどり着いたんだよと一人で突っ込んでいた。

 世には奇妙な作家がいるものですね。