この世には打ち切りになった神漫画が多数存在する。「あの漫画家が⁉」みたいな漫画がある。
今回紹介するのは音羽さおりさんの『青色ピンポン』だ。タイトルから想像できるようにこの漫画は卓球のお話。
その春、久々守秋人は高校入学を控えた15歳だった。 徐々に記憶を失っていく病におかされた秋人は、理心高校の2年生・夏目遥と、彼の身体に刻み込まれた“卓球”に出会った。 「美しいと思った」「どうしても欲しいものができた」…。だって、脳がすべてを失っても、肉体は“それ”を忘れない。だから、これは。 すべてを懸けるに値する出会いだった━━。
決して忘れ得ぬものを手に入れるため、初心者・秋人の挑戦がはじまる。(本書より引用)
終わりの美しさ
この物語には2重の終わりがある。1つは主人公の記憶の終わり。物語が進むにつれて家族や友達との思い出が卓球に上書きされていく。もう1つは漫画の打ち切りという終わりだ。この作品は3巻で分で打ち切りとなり現在は絶版漫画として本屋さんには基本おいていない。
「終わりこそが美しい」という風潮があるが、本作品はこの2重の終わりを含むことで唯一無二の価値を作り出している(不本意かもしれないが)。終わりが美しい漫画と言えば、同じスポーツ漫画でも格別な人気を誇る『スラムダンク』が真っ先に浮かぶ。『スラムダンク』の美しさとは異なり、読後に残るのはただただ寂しいという感情だけだった。しかし、打ち切りにあったとはいえ、終わり方に納得いく仕上がりになっている。
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