高山一実『トラペジウム』
今回読んだのは、高山一実さんの『トラペジウム』。
この小説は30万部も売り上げたそうで、2024年に映画化もしてたそう。
お恥ずかしながら、私は今回初めて読了。
本書について
著者:高山一実
出版社:角川文庫
難易度:★☆☆☆☆
感想
何者かになるには、上記を逸した情熱と行動力がいるんだなと感じた作品。
主人公の東(あずま)のアイドルに対する情熱は異常だと思う。夢が大きすぎてメンバーがついてこれないの、嫌いじゃない。
また東が戦略をもってアイドルを目指していたのが印象的だ。ブランディングやマーケティングを高校生にして考え、実行していくのが素晴らしい。自分も高校生の頃に戻って、戦略的に生きてみたかった。
総じて主人公についていくか別として、私的には好きな人間像。
物語自体は熱い青春物語なのに、どこか冷酷さを持ち合わせている小説だと思った。それはアイドルや芸能人という職業が昔ほどキラキラしたものではなく、泥臭い努力の先にある職業だからだろう。また近年では芸能人のありかたが見直されてきたことも関係しているだろう。
心に残った言葉
アイドルになったら、過去はすぐに暴かれる。さあ問題、その時に男との写真が見つかるのと、ボランティア活動に身を捧げている写真が出てくるの、どっちが好感度高いでしょう?(p100)
【2025年】致知 2月号 (特集:二〇五〇年の日本を考える) を読んでの感想
致知2025年の2月号(特集:二〇五〇年の日本を考える)についての私の感想を書いていく。
全ての記事を読んだわけではないので、読み次第追記していこうと思う。
石破内閣
今回の特集では石破内閣に否定的な論評が展開されている。
私自身も石破内閣については特別いい思いはない。そればかりか、、、体感だが生活はしづらくなっていると思う。
など挙げたらきりがない
特にガソリン代が高騰したことには苦しめられている。私は大学生だが、バイト代の1~2割はガソリン代に取られている。ひえ~
本署では石破内閣の問題点は「自分を客観視できていない」と指摘されている。支離滅裂、有限不実行、言っていることがコロコロ変わる。
昭和期の政治学者の丸山眞男が
「政治家に大切なこと=結果を予測、共同体の利益を最大化するのに適切な手段を選ぶこと」(『政治的判断』)と言っていた。
石破内閣は日本国の民衆の利益を最大化するように行動しているだろうか。次の選挙も考えて行動しようと思わされた。
サイゼリヤ‐正垣会長
現在は格安イタリアンレストランとして大成功しているが、成功までの道のりはひどく厳しかったそう。このストーリーがとても面白かった。
サイゼリヤを開業した当時は深夜まで営業しており、深夜は良くない人たち(ここではこういう表現にしておく)のたまり場になっていたそうだ。そして良くない人同士が喧嘩し、お店の灯油ストーブを倒したことで、店舗が炎上したそうだ。
これがサイゼリヤの始まりか、、、
「火事に遭ったあの店はおまえにとっての最高の場所。邪魔だと言っていた八百屋もアサリ屋も、お前のためにそこにある。自分の目の前に起こる出来事は全部最高。もう一度同じ場所で頑張りなさい」(p107)
これは正垣会長の母の言葉で、この言葉で正垣会長は再起を図った。しかし、お客さんが中々集まらず、3割引き、5割引き、7割引きとセールを開催したそう。7割引きにした結果、大成功。これによりサイゼリヤは成功を収めた。
会長は、困難の時こそ、成長のチャンスというメッセージを込めてこの文章を綴ったそう。私は、会長の各語の強さと思い切った政策が成功の要因だと思う。私もチャンスを上手につかみ、うまくいかないときは止まっているだけでなく、積極的に動いていきたい。
フランス革命の原因はセックスレス|シュテファン・ツヴァイク『マリー・アントワネット』の感想

フランス革命と言えば、「マリー・アントワネットが大浪費した結果」「民衆の怒りを買った結果」という印象があった。それらは一貫してマリー・アントワネットを悪者にした見方であった。私の中ではマリー・アントワネットは悪者だったのだ。おそらくこの記事を読んでいる皆さんも同じような印象をお持ちなのではないか。
わたしが本書を読んだきっかけは石破茂総理にある。私には石破氏の政治態度とそれに対する国民の反応がマリー・アントワネット(あるいはフランス革命時)と重なるところがあるのではと思った。
しかし本書を読んだことでマリー・アントワネットに対する評価は完全に別のものとなった。
本署の概要
本署はマリー・アントワネットの伝記文学・歴史小説となっている。ツヴァイクはマリーを「歴史によって偉大になった平凡人」として激動の時代を生きた彼女を描き出している。ただ著者は作家なので史実を描き出したわけではないのが注意点。マリー・アントワネットに興味ある人や歴史が好きな人におすすめできる本。
評価
難易度:★★★☆☆
おすすめ度:★★★★☆
著者
シュテファン・ツヴァイク(ツワイク[注 1]とも。独: Stefan Zweig, [tsvaɪk], 発音例, 1881年11月28日 - 1942年2月22日)は、オーストリアのユダヤ系作家・評論家である。
1930年代から40年代にかけて大変高名で、多くの伝記文学と短編、戯曲を著した。特に伝記文学の評価が高く、『マリー・アントワネット』や『メアリー・スチュアート』『ジョゼフ・フーシェ』などの著書がある。(Wikipediaから引用、2024,12,20)
面白かった点
本署の面白かった点がいくらでもあるが、今回は上巻の夫ルイ16世との関係性から見るマリー・アントワネットについて語っていく。
いきなり衝撃!「ルイ16世はED」だった。EDとは勃起障害と言われ、男性器が十分に勃起しない(または十分な性行為ができない)状態のことをいう。2人が結婚したのはマリーが14歳、ルイが16歳の時であった。その若いころからマリーは十分な夜を過ごすことができなかったそうだ。これは辱め。そのため辱めを紛らわすかのように遊び放けたそう。これがスキャンダルとして取り上げられ、宮殿の外にまで広まってしまったそうだ。これはさすがにかわいそうではないか。。泣いた。夫とHしたことないという悔しさ・コンプレックスからギャンブルなどの娯楽にハマり、フランス革命の引き金のとなった。さすがにかわいそうすぎるよ。
「お母さまは何を望んでいらっしゃるのでしょう?わたしは退屈するのが怖いのに。」(上巻p162)
「(中略)官能的刺激に満ちたエロティックなヴェルサイユ宮殿で無関心と冷静を保っていられる方がむしろ不自然だろう。彼女と同じ年の親戚縁者や女友だちは、みんなとっくに子持ちだし、本当の夫がいるか、少なくとも恋人がいた。彼女だけが不運な夫の不器用のせいで仲間外れにされ、周りの誰よりもきれいで誰よりも欲望の対象になっているというのに、彼女だけがまだ誰にも心を捧げたことがない。愛を交わしたいとの強い欲求を女友だちへ向けることでそらし、絶え間ない社交で内面の空虚を埋めようとして虚しかった。」(上巻p195)
ちなみにこのこの記事を書いている私も彼女と初めて性行為をするときに勃たないことがあったことを告白しておく。やりたいことができず自分に落胆したしそれが原因で別れたので、私にとっては恥ずかしい黒歴史として刻まれている。(いまはバリバリ)
だからこそ、300年前にルイ16世が同じような悩みを持っていたということには共感するし、個人的にルイ16世の好感度が上がった。
これから読みたい本
これから読みたい本
佐藤優さんの『本は3冊同時に読みなさい』という書評集で知った。スパイvs総理という小説らしい。佐藤さんは超絶絶賛していた。現在は絶版。
- 岸見一郎『哲学人生問答』(講談社文庫)
『嫌われる勇気』の作者と高校生との対話が載っている本。「人生とは」「幸福になるには」などが対話形式で収まっている。気が滅入った時に気軽に読めそう。
百田尚樹さんの『今こそ、韓国に謝ろう〜そして、「さらば」と言おう〜』の参考文献かなんかで載ってた気がする。タイトルが気になる。1998-2008年の10年の事例から分析しているのかな?1997年からは韓国で民主化が発展して日韓WCが開催されるなど華々しい?時代だから気になった
新海誠『小説 秒速5センチメートル』ラストの展開に感動した
心に穴が空いた。
この小説をあらわすのにピッタリな言葉だと思う。
本作は3つの連作短編から成り立っており、主人公の遠野貴樹が女性との交流・別れを通して前に進んでいく。第1話は小学校で出会い、中学で離れ離れになった篠原明里。第2話は転校先の中高の同級生・澄田花苗。第3話は社会人になり取引先の後輩・水野理沙。
主にこの1人の男性と3人の女性が登場人物になる。
心に穴が空いた
まず、この小説を恋愛小説だと思って読むと「心に穴が空いた」ような感覚を受ける。かくいう私は恋愛小説であると思いながら読んでいたが、結末に空虚な気持ちに襲われた。
近年(とは言ってもここ10年くらい?)ではライトノベルが市場を広げていて、最終ハッピーエンドのような小説が多かったように思う。実際、私が中学高校時代に話題になった本はハッピーエンドが多かった。最終的には結ばれる。このような展開にもそろそろ飽きてきたころだ。TikTokで話題になる小説も似たような展開が多い。
しかし、流石は新海誠。空虚感を読者に与える小説に仕上げてきた。
本作のストーリー
それぞれの話では恋愛がテーマになっている。第1話では小学生時代の恋愛が語られる。同じ中学に進学しようと2人で勉強して、なんとか2人とも合格をつかむことができた。しかし、それもつかの間。明里が親の転勤の影響で電車で片道3時間の土地に引っ越してしまう。さらに中学も離れることになってしまった。1年後に貴樹が明里に会いに行って幕は閉じるのだが、ここではお互いに思いを打ち明けることができなかった。
第2話では、貴樹が遠く離れた島の学校へ転校してからのお話。サーフィンを頑張る花苗が貴樹に片思いしている様子が描かれている。貴樹はどこか遠くを見ていたという記述からこの時点でも第1話の明里に思いをはせている様子が描かれている。結局、恋は実らず、離れ離れになってしまった。
第3話では、貴樹の大学~社会人時代が描かれる。社会人になり取引先の後輩・理沙と付き合うことになり、貴樹自身も会社で成果を上げていた。一見順調に見える貴樹はある日、理沙との別れや辞職をするなど、どんどん無気力になっていった。この無気力が第3話で主題になっている。無気力生活を過ごすうちに小中学生時代に好きだった明里のことを思い出すようになる。明里も貴樹との手紙を掘り起こし、貴樹のことを考えるようになる。ラストのシーンは貴樹が道を歩いていると踏切ですれ違った女性のことが気になり、振り向くと女性も振り向いた。その瞬間に電車が二人を遮る。
この電車が通り過ぎたら前に進もうと、彼は心に決めた。(p184)
という一文で物語が終わる。
これは「無気力状態から前に歩みだす」物語
上にも載せた最後の文からわかるのは、明里らしい女性とすれ違い、振り向き合っても「前を向こう」とする貴樹からは恋愛の後悔はすでに消え去ったとみていいだろう。第3話で主に無気力に押しつぶされる貴樹が描かれていた。この無気力が恋愛によるものかはわからないが、仮に恋愛起点だったとしても明里との後悔に終止符を打ち、前を向くことができた。儚い恋愛からの惜別と明るい未来への期待が最後に描かれたときに恋愛小説として読んでいた私は空虚を感じたが、それと同時に美しい人間像に感動した。この物語はどん底の状態から前に歩みだす物語だなと感じた。
映画もぜひ!
【ネタバレあり】2024年最新作「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」の感想
というわけで新学期が始まって、もうコナンの映画公開の季節になりましたね。若干乗り遅れ感は否めないですが、映画を見てきたので感想を記します。(ここからである調)
今回のタイトルは「 名探偵コナン 100万ドルの五稜星」。 五稜星は「みちしるべ」と読むそう。 五稜星はストーリーの軸となる大切なキーワードだが、中盤くらいまで明示されなかった。コナンの映画ってタイトルが序盤にイメージできるものが多い気がする。「11人のストライカー」とか「異次元の狙撃手」とかはまさに。
関係ない話が挟まったが、今回は服部や怪盗キッドが本編に登場する。反対に黒の組織は登場しない。黒の組織が登場しないことによって、どんどんコナンがどこに向かっているのかわからなくなる。ここは最近のコナン見て思っている。ちゃんと物語として完結するのかなというのが読者の共通の心配だろう。少しずつ進んでる感はするが、今回の話からはもう1段階物語が複雑になった。
ネタバレ
ネタバレ
工藤優作の兄貴が作中に登場した。それ以外に物語が前進する話はなかった。むしろ兄貴の登場は後退したまである。今後どう絡んでくるのだろう。
物語的にはまずまずかなー。そりゃ面白いのだけれども、映画のアウトロも想像通りだったし。結末は少々裏切られたけど。
人に勧めるかと言われたら、別にすまないと思う。なんか物足りなさを感じた。
もみあげ『もみあげ流米国株投資講座』
投資について調べると検索サジェストに「米国株」というというワードが出てきませんか?
米国株について気になっている人もいるだろう。
そんなあなたに向けてオススメの本を紹介する。
基本情報
著者:もみあげ
出版社:ソーテック社
初版:2020年
難易度:★★☆☆☆
オススメ度:★★☆☆☆
米国株とは?
米国株とは、その名の通りアメリカの証券取引所に上場している株式のこと。一般には米国ドルで取引されるのだが、現在のネット証券では円でも購入することができる。
米国株のメリット
株価成長率とGDP成長率、人口増加は解説しなくていいだろう。アメリカは世界で最も経済が発展している国で、市場は国内にとどまらずグローバルに展開している。国をまたいだ企業が株価成長率が上がりやすいのは確かだろう。
またGDPも日本よりはアメリカが安定しており、人口増加率も先進国の中でもトップレベルであることは間違いない。
内需は国内の消費によって稼ぐことでアメリカは国内の消費もレベルが違う。反対に 外需は貿易によって国が稼ぐことだ。
株主第一主義とはそのままの意味で株主に対しての還元が手厚いということだ。 連続増配実積が日本に比べて桁違いだ。日本に比べても、米国株は魅力的だ。しかし注意したいのは米国株の配当には税金が日本よりも多く取られることでそれが難点。
個別銘柄の大前提条件
- 財務健全な企業を選ぶのは当たり前
- 長期的な将来性
- 企業が事業を営む市場規模と成長性
- ワイドモートを築いている銘柄
- CEOの魅力
ワイドモートとは、その分野において他者を寄せ付けない圧倒的な強みを有していることだ。この5つは投資の基本的な法則だ。しかし5つ目のCEOの魅力という観点は興味深い。これは日本株にも言えることで、私も大切にしようと感じた。
また本書にオススメ銘柄が載っていたけど、今は円安もあって株価が上がっているから買いにくい。しばらくは米国株は買わなくて良いかなっていうのが私の印象。昔に買った米国債券がここに来て生きる来るのが嬉しい。