今回紹介する本は野田聖子さんの『みらいを、つかめ』。このブログでは政治家の著書を紹介するのは初めてのことだ。
著者
野田聖子(のだせいこ)さんの政治姿勢を示すキーワードとして「女性の地位向上」「国をまたいだ協調」が挙げられるだろう。これは私が本書を読んでみての印象だが、野田さんの思想をよく表している。
また彼女は「野田姓」を後世にも残さなければならない家庭の事情もあり、「選択的夫婦別姓制度」を強く主張している。野田家はかなりの上流階級らしいので、我々一般人と感性がかけ離れていると思われがちだが、弱いものに寄り添うという政治姿勢も持っている。
国をまたいだ協調
私は、これにならって、例えば、まず日本、中国、韓国の子供が、お互いに相手の国で一括エステとホームステイをする仕組みを作れないかと考えています。こうしたことからスタートして、徐々に氷を拡大し、深めていくべきではないでしょうか。(p113)
ここでいう「これ」とは仏独の第二次世界大戦後の協力体制のことを指している。近代のヨーロッパ史ではフランスとドイツの戦争がメインにとり上げられる。しかし現在は両国は仲良くしており、EUの発足にも大きな役割を果たしている。両国はヨーロッパのリーダーとして、過去に大喧嘩したにもかかわらず、現在は協調体制を敷いている。
それではアジアにおいてリーダーは誰か?歴史的に見れば長らくは中国がアジアの王であった。「眠れる獅子」とも言われ、大航海時代や帝国主義の時代にはヨーロッパ列強に「アジアの王」という印象を与え続けた。
しかしアヘン戦争やアロー戦争でイギリスに大敗したのを皮切りに欧米列強がこぞって中国の分割を始めた。さらに同じアジアの新星日本にも日清戦争で大敗し、アジアのトップは日本に引き渡された。これは第二次世界大戦で日本が敗北しても揺るがず、バブル崩壊まで続いた。
現在は中国がGDPでアメリカに次ぐ2位にまで成長し、韓国もITやエンターテイメントの成長で発展した。我が国日本は衰退の一歩を辿っている。日本国民としては悔しい限りだが、これが現実だ。
私が幼い頃は「日本は強い」というイメージがまだあった(2024年4月15日現在、19歳)。しかし小学生3年生になった頃くらいからは「中国やばい」「日本元気ない」のような声が増え始めた。今思い出してみると、商店街なのに閉店したお店がいくつもあったり、年々入学生の人数が減っていったりしていた。
だから他国と協調する必要がある。まずは隣国である中国と韓国である。野田さんの発言のように、小学生から大学生までの若者に他国の若者との交流を増やすのは良いことだと感じられる。
私は中国や韓国の若者と交流する機会があれば、我先に手を挙げるだろう。費用は多少行政の負担で海外に行ってみたいものだ。
女性と政治
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女性と地方が日本を救う(p18)