ryobook-豊かな人生のために

管理者のryoと申します。高校生で読書にハマり、多様なジャンルの本を乱読してきました。読書の面白さや好きな本を伝えたいので、当ブログを開設しました!読書だけではなく人生を好転させられるような情報も更新していきます。今後ともよろしくお願いします!!

『本は3冊同時に読みなさい』佐藤優|知の巨人による読書案内書、ロシア中国から子供の教育、ゲーム依存症まで

 現代における「知の巨人」と言えば、出口治明さん、内田樹さん、海外でいうとユヴァル・ノア・ハラリマルクス・ガブリエルサンデル先生などもあがるだろう。その中に佐藤優さんの声もあがると思う。

 佐藤優さんは、ロシアを中心とする世界史や国際関係、キリスト教を中心とした宗教などに造詣が深い。個人的な印象だが、彼の発言は冷徹で力強い印象がある。

 そんな彼の著作である、『本は3冊同時に読みなさい』を読んだ。Amazonのレビュー欄を見たら分かるように、読書論については数ページしか書かれていない。本書の内容は著者の過去の書評がメインとなっているので、タイトルは不適切である。

 しかし、著者の書評は一読の価値がある。それは普段読まない本に出会えるからだ。今回は僕の気になった本たちについてつらつら書いていく。

 

本書について

著者:佐藤優

出版社:マガジンハウス

 

湯浅誠『「なんとかする」子どもの貧困』

本書からの引用子どもの貧困対策を1ミリでも前に進めようとする人は仲間だという湯浅氏の立場がこういう形で明確に示されている。(p93)

湯浅氏の議論で興味深い点は、資本主義社会には格差があることを肯定した上で、衣食住を欠く絶対的貧困だけでなく、学校には通っているが修学旅行に行けないような相対的貧困の解決を訴えていることだ。(同頁)

湯浅氏のような熱い心と冷静な頭脳を備え、現場を大切にする知識人がもっともっと出てきて欲しい。(p95)

 少子高齢化、貧困など日本の課題がたくさんあることは言うまでもない。だからこそ、そこに対策を講じる人間のお話は聴く価値があるし、聴かねばならぬ、とまで思う。

 

岡田尊司『インターネット・ゲーム依存症』

 僕もも小学校の頃からゲーム依存症であり、高校時代にましになったものの、大学に入学すれば元通りになってしまった。ゲームからの逃避のため、読書を続けているというわけである。もちろんそれだけが読書の理由じゃないけど。やっぱり僕もゲーム依存症について真剣に考えないとなーと思った。

 現役ゲーム依存症から言わせていただくと、「ゲームに使った時間をムダにしたくないからゲームを続ける」ってのは、割とありそう。てか、俺自身がそう。「こんなにやったのに、辞めるなんて!!」って言ってやめられないゲームがいくつかある。「過去の自分を否定したくない心理」が働いていると思う。だから、SNSとは違う依存効果があると思う。

 

本書を読んで、自分の知識興味の偏りに気づいた。著者のように多岐にわたるジャンルを読み続け、自分なりの知識網を作り上げていきたい。