「善き人であれ!」
これはローマ帝国の哲人皇帝マルクス=アウレリウスからの言葉である。
波乱な人生を送っていた彼は約2000年後の世界を生きる我々に何を教えてくれるのか。
彼は自分に向けた『自省録』で彼の思想を余す事なく書き残している。
今回は彼から学ぶ"善きこと"を紹介させていただく。
「善きこと」とは
マルクス=アウレリウスは大きな宇宙の中で、人間の限られた力を受け入れつつ、その力を発揮することが「善きこと」と考えている。
本書でも
次のことを思い浮かべるが良い。極めて僅かな時間の中に、君もあの人も死んでしまい、その後まもなく君たちの名前すら後に残らないであろうという事を。
あらゆるものは、小さく、変わりやすく、消滅しつつある。
遠からず君はあらゆるものを忘れ、遠からずあらゆるものは君を忘れてしまうだろう。
などと人間の無常観を繰り返している。
そこに彼の本質があるのではないか。
少なくとも、僕はそう思う。
また、SNSな普及によりネット上で他者との交流が密になった現代。
どうしても他者と比べてしまう。そして、自己嫌悪や自己否定に繋がってしまう。
だって、画面の向こうにはキラキラした人間がいるのだから。
こうした現代を生きる僕らに置かれている問題に対して、マルクス=アウレリウスは救いの手を差し出してくれていると、僕は思う。
「だって、そう遠くない未来に、あのキラキラした人間も我々も死んでしまうのだから。」
「皆忘れ去られるんだから、好きなことでもやっときな。」
『善く生きろ』