ryobook-豊かな人生のために

管理者のryoと申します。高校生で読書にハマり、多様なジャンルの本を乱読してきました。読書の面白さや好きな本を伝えたいので、当ブログを開設しました!読書だけではなく人生を好転させられるような情報も更新していきます。今後ともよろしくお願いします!!

夏目漱石『こころ』の解釈|日本最高峰の文学の新解釈、Kが賢すぎる件について

 私はこの小説を何回読んだか分からない。小学生の頃、読書している奴が偉いという仮説があった。夏目漱石はインテリの象徴のような存在だった。漱石を読もう。そう思いすぐに書店へ行き文庫本のコーナーを見た。見つけた。しかし如何せん本が多くて迷ってしまう。『吾輩は猫である』は聞いたことあるが、分厚い。『坊っちゃん』は薄すぎる。そう思いパッと目についた『こころ』を購入した。これが私と『こころ』の出会いである。

 初めて読んだ時の感想はこうだ。
「こんなに難しかったのに、ただの三角関係物語」
当時小学生の私には漱石の文章は難しかった(今でも難しく感じるところはあるが)。それなのにただの三角関係の話を読まされたあげく、おもしろくない小説だ、と思った。しかし何か胸の中に何かしら引っかかるところがあった。

 中学生になっても相変わらず『こころ』を読んでみたが、感想は大して変わってなかっただろう。このころからKに注目するようになった。

 ここから私なりの考察を記す。
「『こころ』はKの復讐物語である」

 高校のころに『こころ』の感想文を国語の授業で提出した。その時のタイトルが『こころーKが賢すぎた件について』。
 先生とKは同じ女の人を好きになってしまい、先生は焦りKよりも先に婚約を申し出た。それを聞いたKはショックを受け自殺してしまった。そのKの第一発見者は先生で、その凄惨な状況をみせつけられた。遺書もあり遺書には「自分の人生が分からなくなった」「自分の弱さが原因」的なことが書かれており、周りの大人は先生は悪くないと言う。
 しかし先生だけが真実を知っており、自分のせいでKは亡くなってしまったと後悔する、という状況が出来上がる。
 
 Kは本当に自分の意志の弱さや将来への不安から命を絶ったのだろうか。私はそれはないと思う。作中にもKは勤勉で頭が良く、まっすぐな人だと描かれており、恋に対しても真面目であった。
 私は思った。
「そんな頭の良い彼はなぜ、先生は悪くないと言って命を絶ったのか」
 
 いや、待てよ、
 
「彼なら先生が一番苦しむ復讐ができるのではないか」
こっちではないか。

 そうだ。彼は自殺することで先生への恨みをぶつけたんだ。Kは好きな人を先生にとられ、生きる理由をなくしてしまった。先生のことを非常に恨んだだろう。そうしたら先生に復讐したいと考えるだろう。「先生のせいで大切なものを失ってしまった」と思わせれば、先生に対して甚大なダメージを与えることできる。そこでもう生きる意味のなかったK自身が亡くなることで復讐しようと考えたのだろう。これ以上にとっておきの、最強な復讐はない。それをKは実行した。

 やはりKは賢すぎる。


 以上が私の妄想であった。ここまで読んでくれてありがとう。

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