ryobook-豊かな人生のために

管理者のryoと申します。高校生で読書にハマり、多様なジャンルの本を乱読してきました。読書の面白さや好きな本を伝えたいので、当ブログを開設しました!読書だけではなく人生を好転させられるような情報も更新していきます。今後ともよろしくお願いします!!

新海誠『小説 秒速5センチメートル』ラストの展開に感動した

心に穴が空いた。
この小説をあらわすのにピッタリな言葉だと思う。

本作は3つの連作短編から成り立っており、主人公の遠野貴樹が女性との交流・別れを通して前に進んでいく。第1話は小学校で出会い、中学で離れ離れになった篠原明里。第2話は転校先の中高の同級生・澄田花苗。第3話は社会人になり取引先の後輩・水野理沙
主にこの1人の男性と3人の女性が登場人物になる。

心に穴が空いた

まず、この小説を恋愛小説だと思って読むと「心に穴が空いた」ような感覚を受ける。かくいう私は恋愛小説であると思いながら読んでいたが、結末に空虚な気持ちに襲われた。
近年(とは言ってもここ10年くらい?)ではライトノベルが市場を広げていて、最終ハッピーエンドのような小説が多かったように思う。実際、私が中学高校時代に話題になった本はハッピーエンドが多かった。最終的には結ばれる。このような展開にもそろそろ飽きてきたころだ。TikTokで話題になる小説も似たような展開が多い。
しかし、流石は新海誠。空虚感を読者に与える小説に仕上げてきた。

本作のストーリー

それぞれの話では恋愛がテーマになっている。第1話では小学生時代の恋愛が語られる。同じ中学に進学しようと2人で勉強して、なんとか2人とも合格をつかむことができた。しかし、それもつかの間。明里が親の転勤の影響で電車で片道3時間の土地に引っ越してしまう。さらに中学も離れることになってしまった。1年後に貴樹が明里に会いに行って幕は閉じるのだが、ここではお互いに思いを打ち明けることができなかった。

第2話では、貴樹が遠く離れた島の学校へ転校してからのお話。サーフィンを頑張る花苗が貴樹に片思いしている様子が描かれている。貴樹はどこか遠くを見ていたという記述からこの時点でも第1話の明里に思いをはせている様子が描かれている。結局、恋は実らず、離れ離れになってしまった。

第3話では、貴樹の大学~社会人時代が描かれる。社会人になり取引先の後輩・理沙と付き合うことになり、貴樹自身も会社で成果を上げていた。一見順調に見える貴樹はある日、理沙との別れや辞職をするなど、どんどん無気力になっていった。この無気力が第3話で主題になっている。無気力生活を過ごすうちに小中学生時代に好きだった明里のことを思い出すようになる。明里も貴樹との手紙を掘り起こし、貴樹のことを考えるようになる。ラストのシーンは貴樹が道を歩いていると踏切ですれ違った女性のことが気になり、振り向くと女性も振り向いた。その瞬間に電車が二人を遮る。

この電車が通り過ぎたら前に進もうと、彼は心に決めた。(p184)

という一文で物語が終わる。

これは「無気力状態から前に歩みだす」物語

上にも載せた最後の文からわかるのは、明里らしい女性とすれ違い、振り向き合っても「前を向こう」とする貴樹からは恋愛の後悔はすでに消え去ったとみていいだろう。第3話で主に無気力に押しつぶされる貴樹が描かれていた。この無気力が恋愛によるものかはわからないが、仮に恋愛起点だったとしても明里との後悔に終止符を打ち、前を向くことができた。儚い恋愛からの惜別と明るい未来への期待が最後に描かれたときに恋愛小説として読んでいた私は空虚を感じたが、それと同時に美しい人間像に感動した。この物語はどん底の状態から前に歩みだす物語だなと感じた。

映画もぜひ!

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【ネタバレあり】2024年最新作「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」の感想

 

 

 というわけで新学期が始まって、もうコナンの映画公開の季節になりましたね。若干乗り遅れ感は否めないですが、映画を見てきたので感想を記します。(ここからである調)

 

 今回のタイトルは「 名探偵コナン 100万ドルの五稜星」。 五稜星は「みちしるべ」と読むそう。 五稜星はストーリーの軸となる大切なキーワードだが、中盤くらいまで明示されなかった。コナンの映画ってタイトルが序盤にイメージできるものが多い気がする。「11人のストライカー」とか「異次元の狙撃手」とかはまさに。

 関係ない話が挟まったが、今回は服部や怪盗キッドが本編に登場する。反対に黒の組織は登場しない。黒の組織が登場しないことによって、どんどんコナンがどこに向かっているのかわからなくなる。ここは最近のコナン見て思っている。ちゃんと物語として完結するのかなというのが読者の共通の心配だろう。少しずつ進んでる感はするが、今回の話からはもう1段階物語が複雑になった。

 

 ネタバレ

 

 

 ネタバレ

 

 

 

 工藤優作の兄貴が作中に登場した。それ以外に物語が前進する話はなかった。むしろ兄貴の登場は後退したまである。今後どう絡んでくるのだろう。

 

 

 物語的にはまずまずかなー。そりゃ面白いのだけれども、映画のアウトロも想像通りだったし。結末は少々裏切られたけど。

 

 人に勧めるかと言われたら、別にすまないと思う。なんか物足りなさを感じた。

 

 

 

もみあげ『もみあげ流米国株投資講座』

 

 

 投資について調べると検索サジェストに「米国株」というというワードが出てきませんか?

米国株について気になっている人もいるだろう。

そんなあなたに向けてオススメの本を紹介する。

 

基本情報

著者:もみあげ

出版社:ソーテック社

初版:2020年

難易度:★★☆☆☆

オススメ度:★★☆☆☆


 

米国株とは?

 米国株とは、その名の通りアメリカの証券取引所に上場している株式のこと。一般には米国ドルで取引されるのだが、現在のネット証券では円でも購入することができる。

 

米国株のメリット

  1. 株価成長力
  2. GDP成長率
  3. 人口増加
  4. 内需型産業
  5. 株主第一主義

 

 株価成長率とGDP成長率、人口増加は解説しなくていいだろう。アメリカは世界で最も経済が発展している国で、市場は国内にとどまらずグローバルに展開している。国をまたいだ企業が株価成長率が上がりやすいのは確かだろう。

またGDPも日本よりはアメリカが安定しており、人口増加率も先進国の中でもトップレベルであることは間違いない。

  内需は国内の消費によって稼ぐことでアメリカは国内の消費もレベルが違う。反対に 外需は貿易によって国が稼ぐことだ。

 株主第一主義とはそのままの意味で株主に対しての還元が手厚いということだ。 連続増配実積が日本に比べて桁違いだ。日本に比べても、米国株は魅力的だ。しかし注意したいのは米国株の配当には税金が日本よりも多く取られることでそれが難点。

 

個別銘柄の大前提条件

  1. 財務健全な企業を選ぶのは当たり前
  2. 長期的な将来性
  3. 企業が事業を営む市場規模と成長性
  4. ワイドモートを築いている銘柄
  5. CEOの魅力

 

 ワイドモートとは、その分野において他者を寄せ付けない圧倒的な強みを有していることだ。この5つは投資の基本的な法則だ。しかし5つ目のCEOの魅力という観点は興味深い。これは日本株にも言えることで、私も大切にしようと感じた。

 

 また本書にオススメ銘柄が載っていたけど、今は円安もあって株価が上がっているから買いにくい。しばらくは米国株は買わなくて良いかなっていうのが私の印象。昔に買った米国債券がここに来て生きる来るのが嬉しい。

 

 

 

林陵平『林陵平のサッカー観戦術』


 大学に入学し、自然と夜寝るのが遅くなった。
 それは海外サッカーを見るようになったからだ。高校3年生だった2022年にはサッカーワールドカップで日本代表が強豪ドイツ・スペインを破ってベスト16にまで進んだ。そこから2023年に入り、イングランドプレミアリーグを受験勉強の合間に見るようになった。イングランドでは三笘薫が何試合も連続でゴールを決めるなど大活躍していた。高校で友達と三苫について語り合う日々。受験期に精神が保てたのは日本人が海外で活躍する姿を見ていたからだ。

 今回、本書を購入したのもサッカーに対してにわかなりにも理解を深めたいからだ。

基本情報

著者:林陵平
出版社:平凡社新書
ページ数:207p
難易度:★☆☆☆☆
おすすめ度:★★★★☆

林陵平という狂人

 著者の林陵平さんは元Jリーグのサッカー選手で現在はサッカーの試合を解説している。海外サッカーを見ている人は一度は聞いたことある人であろう。解説の特徴は「圧倒的な知識量」である。「なんでこんなこと知ってるの?」っていう解説だ。常に選手のインスタやサッカーの雑誌、そして試合をチェックしているそうだ。これまでの狂気じみたサッカー愛が彼の解説を特別なものにしている。

観戦のポイント

 本書では著者のサッカー観戦のポイントが語られている。キックオフ時に確認すべきこと、ハーフタイムで確認すべきこと、後半に入ったら確認すべきこと、後半60分で確認すべきことなど、その時々で確認すべきことがある。
 キックオフ前に確認すべきことは両チームの初期配置だ。サッカーにはフォーメーションが様々存在する。攻めのフォーメーション、守備寄りのフォーメーション。FWは何人いるか、DFは何人いるかなど、フォーメーションによってチームの狙いが変わってくる。これをキックオフ時に見るらしい。
 ハーフタイム時、後半は入りの見るべきポイントは本書で確認してほしい。
 また代表的なフォーメーション、ポジションの役割などは次章以降に語られる。
 

著者の注目選手

 本書の特徴として著者の注目監督や注目選手について語られているところが挙げられる。月に100試合見ている著者の注目選手は特に気になる。イングランドやスペインのリーグだけではなくイタリア、ドイツ、フランス、オランダのリーグから選出されている。普段特定のリーグしか見ない私からしたらありがたい情報だ。特にオランダリーグはスカパーでしか配信されておらず、日本人からしたら見にくいリーグだから情報が入って来づらい。またその他の欧州リーグ(例えばポルトガルリーグやスイスリーグなと)や南米リーグ(ブラジルやアルゼンチンなど),またJリーグの注目選手も挙げてほしかったところだ。

個人的な注目選手は

林陵平『林陵平のサッカー観戦術』

 大学に入学し、自然と夜寝るのが遅くなった。
 それは海外サッカーを見るようになったからだ。高校3年生だった2022年にはサッカーワールドカップで日本代表が強豪ドイツ・スペインを破ってベスト16にまで進んだ。そこから2023年に入り、イングランドプレミアリーグを受験勉強の合間に見るようになった。イングランドでは三笘薫が何試合も連続でゴールを決めるなど大活躍していた。高校で友達と三苫について語り合う日々。受験期に精神が保てたのは日本人が海外で活躍する姿を見ていたからだ。

 今回、本書を購入したのもサッカーに対してにわかなりにも理解を深めたいからだ。

基本情報

著者:林陵平
出版社:平凡社新書
ページ数:207p
難易度:★☆☆☆☆
おすすめ度:★★★★☆

林陵平という狂人

 著者の林陵平さんは元Jリーグのサッカー選手で現在はサッカーの試合を解説している。海外サッカーを見ている人は一度は聞いたことある人であろう。解説の特徴は「圧倒的な知識量」である。「なんでこんなこと知ってるの?」っていう解説だ。常に選手のインスタやサッカーの雑誌、そして試合をチェックしているそうだ。これまでの狂気じみたサッカー愛が彼の解説を特別なものにしている。

観戦のポイント

 本書では著者のサッカー観戦のポイントが語られている。キックオフ時に確認すべきこと、ハーフタイムで確認すべきこと、後半に入ったら確認すべきこと、後半60分で確認すべきことなど、その時々で確認すべきことがある。
 キックオフ前に確認すべきことは両チームの初期配置だ。サッカーにはフォーメーションが様々存在する。攻めのフォーメーション、守備寄りのフォーメーション。FWは何人いるか、DFは何人いるかなど、フォーメーションによってチームの狙いが変わってくる。これをキックオフ時に見るらしい。
 ハーフタイム時、後半は入りの見るべきポイントは本書で確認してほしい。
 また代表的なフォーメーション、ポジションの役割などは次章以降に語られる。
 

著者の注目選手

 本書の特徴として著者の注目監督や注目選手について語られているところが挙げられる。月に100試合見ている著者の注目選手は特に気になる。イングランドやスペインのリーグだけではなくイタリア、ドイツ、フランス、オランダのリーグから選出されている。普段特定のリーグしか見ない私からしたらありがたい情報だ。特にオランダリーグはスカパーでしか配信されておらず、日本人からしたら見にくいリーグだから情報が入って来づらい。またその他の欧州リーグ(例えばポルトガルリーグやスイスリーグなと)や南米リーグ(ブラジルやアルゼンチンなど)の注目選手も挙げてほしかったところだ。

音羽かおり『青色ピンポン』

 この世には打ち切りになった神漫画が多数存在する。「あの漫画家が⁉」みたいな漫画がある。

 今回紹介するのは音羽さおりさんの『青色ピンポン』だ。タイトルから想像できるようにこの漫画は卓球のお話。

その春、久々守秋人は高校入学を控えた15歳だった。 徐々に記憶を失っていく病におかされた秋人は、理心高校の2年生・夏目遥と、彼の身体に刻み込まれた“卓球”に出会った。 「美しいと思った」「どうしても欲しいものができた」…。だって、脳がすべてを失っても、肉体は“それ”を忘れない。だから、これは。 すべてを懸けるに値する出会いだった━━。
決して忘れ得ぬものを手に入れるため、初心者・秋人の挑戦がはじまる。(本書より引用)

基本情報

著者:音羽さおり
出版社:講談社
巻数:全3巻(完結)
難易度:★☆☆☆☆
おすすめ度:★★★☆☆

終わりの美しさ

 この物語には2重の終わりがある。1つは主人公の記憶の終わり。物語が進むにつれて家族や友達との思い出が卓球に上書きされていく。もう1つは漫画の打ち切りという終わりだ。この作品は3巻で分で打ち切りとなり現在は絶版漫画として本屋さんには基本おいていない。
 「終わりこそが美しい」という風潮があるが、本作品はこの2重の終わりを含むことで唯一無二の価値を作り出している(不本意かもしれないが)。終わりが美しい漫画と言えば、同じスポーツ漫画でも格別な人気を誇る『スラムダンク』が真っ先に浮かぶ。『スラムダンク』の美しさとは異なり、読後に残るのはただただ寂しいという感情だけだった。しかし、打ち切りにあったとはいえ、終わり方に納得いく仕上がりになっている。

[http://

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野田聖子『みらいを、つかめ 多様なみんなが活躍する時代に』|


 今回紹介する本は野田聖子さんの『みらいを、つかめ』。このブログでは政治家の著書を紹介するのは初めてのことだ。

基本情報

著者:野田聖子
出版社:CCCメディアハウス
初版:2018年
ページ数:181ページ
難易度:★★☆☆☆
おすすめ度:★★★★☆

[http://

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著者

 野田聖子(のだせいこ)さんの政治姿勢を示すキーワードとして「女性の地位向上」「国をまたいだ協調」が挙げられるだろう。これは私が本書を読んでみての印象だが、野田さんの思想をよく表している。
 また彼女は「野田姓」を後世にも残さなければならない家庭の事情もあり、「選択的夫婦別姓制度」を強く主張している。野田家はかなりの上流階級らしいので、我々一般人と感性がかけ離れていると思われがちだが、弱いものに寄り添うという政治姿勢も持っている。

国をまたいだ協調

私は、これにならって、例えば、まず日本、中国、韓国の子供が、お互いに相手の国で一括エステとホームステイをする仕組みを作れないかと考えています。こうしたことからスタートして、徐々に氷を拡大し、深めていくべきではないでしょうか。(p113)

 ここでいう「これ」とは仏独の第二次世界大戦後の協力体制のことを指している。近代のヨーロッパ史ではフランスとドイツの戦争がメインにとり上げられる。しかし現在は両国は仲良くしており、EUの発足にも大きな役割を果たしている。両国はヨーロッパのリーダーとして、過去に大喧嘩したにもかかわらず、現在は協調体制を敷いている。

 それではアジアにおいてリーダーは誰か?歴史的に見れば長らくは中国がアジアの王であった。「眠れる獅子」とも言われ、大航海時代帝国主義の時代にはヨーロッパ列強に「アジアの王」という印象を与え続けた。
 しかしアヘン戦争やアロー戦争でイギリスに大敗したのを皮切りに欧米列強がこぞって中国の分割を始めた。さらに同じアジアの新星日本にも日清戦争で大敗し、アジアのトップは日本に引き渡された。これは第二次世界大戦で日本が敗北しても揺るがず、バブル崩壊まで続いた。
 現在は中国がGDPアメリカに次ぐ2位にまで成長し、韓国もITやエンターテイメントの成長で発展した。我が国日本は衰退の一歩を辿っている。日本国民としては悔しい限りだが、これが現実だ。

 私が幼い頃は「日本は強い」というイメージがまだあった(2024年4月15日現在、19歳)。しかし小学生3年生になった頃くらいからは「中国やばい」「日本元気ない」のような声が増え始めた。今思い出してみると、商店街なのに閉店したお店がいくつもあったり、年々入学生の人数が減っていったりしていた。

 だから他国と協調する必要がある。まずは隣国である中国と韓国である。野田さんの発言のように、小学生から大学生までの若者に他国の若者との交流を増やすのは良いことだと感じられる。
 私は中国や韓国の若者と交流する機会があれば、我先に手を挙げるだろう。費用は多少行政の負担で海外に行ってみたいものだ。
 

女性と政治

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女性と地方が日本を救う(p18)